Tapestry Maple Valleyのソロノートシリーズは、2014年の冬に始まった。最初の一本はフランクインセンス(ソマリア産)で、有機エタノールに溶かしただけのものだった。「これを嗅いだ人が、ブレンドの中のフランクインセンスを認識できるようになってほしい」とElise Fontaineは言う。

ブレンドの中では気づかないこと

複数の原料を組み合わせた香りの中では、個々の素材の特徴が変容する。ラベンダーはシトラスと合わさると清涼感が増し、ウードはローズと合わさると甘さが前に出る。これは調香の面白さでもあるが、単一原料の香りを知らないと、ブレンドの中で何が起きているかを読めない。ソロノートはその訓練のための道具でもある。

原料の選び方

ソロノートに選ぶ原料は、その年に仕入れた中で「これ一本で成立する」と感じたものに限る。すべての原料がソロノートになれるわけではない。たとえばガルバナムは単独では鋭すぎて、多くの人には不快に感じられる。ソロノートとして成立するのは、単独でも時間とともに変化し、最後まで興味を持って嗅いでいられるものだ。

2026年夏:ダマスクローズを選んだ理由

今年の夏はオレゴン州フッドリバーのRiver Bloom Farmのダマスクローズを選んだ。ローズは最も多くの人が「知っている」と思っている香りだが、実際に精油だけを嗅いだことがある人は少ない。香水のローズとは全く違う。青みがあり、蜂蜜のような甘さがあり、最後にわずかに金属的な感触が残る。その複雑さを、ブレンドなしで体験してほしかった。

ソロノートの使い方

ソロノートは単独で使うだけでなく、手持ちの香水と重ねて使うこともできる。たとえば「Cèdre du Pacifique」の上にダマスクローズのソロノートを一吹きすると、ウッドノートの中に花が浮かぶ。自分でブレンドを試す入口として使ってもらえると、このシリーズを作った意味がある。

ソロノートは毎年二本だけ、夏と冬に一本ずつ。次の冬の一本は何にするか、まだ決めていない。秋の採取が終わってから考える。